Cの称号を纏ったフラッグシップモデルC64は、モノコックフレーム全盛の今日において、頑なにラグフレーム製法という伝統を継承している。今や大量生産が当たり前になった現在のモノづくりにおいて一見無駄のように見えるが、多くのイタリア職人たちによるクラフトマンシップをフレームに宿すことこそMADE IN ITALYたる所以である。スターシェイプといわれる星形のパイプをパマペイント社の艶やかに彩るペイントで無機質なフレームに「造形美」加え、他社と一線を画す圧倒的な存在感を誇示。現代のレーシングシーンで対等に勝ち負けを繰り広げるパフォーマンスの高さはこれまでの戦歴が証明しており、前作のC60からマッシブなディティールへと様変わりしながらもと200gシェイプした。かつて、いつかはコルナゴと言われていた時代の「手に入れたい夢の1台」は今も変わらず。だが、至高のモデルは万人受けするために作られたものではなく、数々の難関をクリアしてきた勝者に相応しいものとしてあり続ける。